「産後うつ」とは鬱病の一種です。 出産後は、妊娠中に赤ちゃんを胎内に迎えるために変化していたホルモンバランスが妊娠前の状態に戻るため、乱れます。それによって誘発されるのが「産後うつ」と考えられていますが、「産後うつ」になると、訳もなくゆううつになってすぐ泣いてしまったり、食欲不振、不眠、体がだるくなり起き上がるのも一苦労、酷くなると、赤ちゃんの泣き声にもイライラ、自分の存在価値が分からない、などといった症状に悩まされることになります。 「産後うつ」になった人の中には「自分の子供なのにかわいく思えず、泣いているのにイライラしてしまうなんて、自分は人間失格なのではないか……?」と苦しむ人もいると言われています。しかしこういった症状は「産後うつ」の症状のひとつと認識し、対処することが大切です。 また、「産後うつ」は産後すぐに始まるのではなく、多くは産後4週間程度経ってから不調になり始め、産後約3ヶ月~1年程で良くなっていくるのも特徴のひとつです。しかし「産後うつ」を知らないままで対処せず、治療を先延ばしにしていると、ストレスがストレスを呼び、本当に「うつ病」になってしまう可能性もあるので要注意です。
はっきりとした原因はまだよく分かっていませんが「産後うつ」は、出産後の精神や身体的な要因によって引きおこされるとも言われています。 また、最近では「産後うつ」は脳の神経伝達物質のアンバランス、ホルモンの変化、社会心理学要因などが関係していることが判明しています。 つまり、「産後うつ」は風邪などと同じように病気なのであって、決して怠け者として考えてはいけません。
出産後約4週間で症状が出始め、数週間でその症状がピークに達し、3か月から12か月の間、それ以上の期間苦しむこともあります。 ちょうど、産後の里帰りから戻った頃が「産後うつ」の発症のピークと重なります。
「産後うつ」の症状は見逃されやすいと言われています。産科や地域主催の乳児検診では「産後うつ」に関するチェックがほとんど行われていないことも一因となっているようです。
<「産後うつ」の症状例>
・ 以前なら気にならなかったようなささいなことにイライラする、憂鬱になる
・ ちょっとしたことにも疲れ、いつも疲労感が強い
・ にぶい頭痛が続く
・ 食欲不振
・ 子どもがかわいくない…etc
こうして症状を上げてみると、実際は「産後うつ」の症状なのに、子育て時の悩みと思われ、見逃されがちになりそうなものばかりです。
ほとんどの母親には「子育ては大変で当たり前」という考えが頭にあるので、少し位悩んでも無理してしまうようです。また、「自分の子供のことなのに、こんなに悩むのは自分が悪いんだ」と思ってしまい、「産後うつ」だということに気付かないということもあるようです。
しかし、ここで症状が悪化していくと、長く苦しむことになる可能性があるので、「産後うつ」の正しい知識を身につけて、少しでも不調を感じたら、病院や自治体の子育て支援センターなどに気軽に相談してみのがおすすめです。また、「頑張りすぎない」ことも大事です。
実際に「産後うつ」を経験した人は、このようなことを言っています。 ・授乳の際おっぱいがうまく出なくて、それだけでどん底に落ちたような気がして泣いたりしていた。 ・なんだかイライラしてしまい、赤ちゃんが泣いていても見て見ぬふりをしてしまった。 ・子供の泣き声を聞くだけで、気が狂うかと思い逃げ出したくてしょうがなかった。 ・買い物に行くこともできず、結局夫にすべて買い物を頼んでいました。起き上がるのもやっとで、辛い時期は赤ちゃんをだっこすることも苦しかった。 ・ほとんどものが食べられず、自分はやせていくし、おっぱいは出ないし、仕方がないのでミルクで育てていたが、今度はそれに悩んで育児なんか続けていけるのか、自分は生きている価値なんか無いんじゃないかと気がつけばいつも泣いていました。 「産後うつ」に陥った人は、通常はそこまで落ち込む必要のないことまで深刻に考え過ぎ、体調を崩したり、意味もなく涙を流したり、自分に自信がなくなり死にたくなったりします。症状が重くなると、母親の自殺だけでなく、子供を道連れにした心中にまで発展する恐れもあることから、「産後うつ」を軽んじないことが注目され始めています。
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